Model 2011  SUZUKI  GN125H


最終更新日 20151211



2015年9月 兵庫県明石市で。通称たこフェリーが廃止されてから数年間も本州から淡路島へ原付で渡る手段がなくなっていましたが、今年9月からジェノバラインにバイク固定装置8台を装備した高速双胴船 「まりんあわじ」 が入り、ふたたび淡路島へ原付で渡れるようになりました。  [⇒9月に乗船した時の詳細のページへ]  



トラブル等なく走行距離が87000キロを超えました。燃費もツーリング時リッターあたり48キロ、市街地のみ走行でリッター37-43キロと新車時より変化ありません。

この車両もそろそろ10万キロが見えてきました。7万キロあたりでキーシリンダー接点の接触不良によるテールランプの不点灯が一度ありましたがシリンダーの接点を磨いてシリコングリースを塗布して完治。走行に影響のある故障は一度もありませんでした。

GSR250Fが発売された時に購入を検討しましたが、燃費が30キロ程度という情報が多くタンク容量が意外に小さくて13リットルしかなく、無給油で走れるのは390キロとGNよりも短い事や二本出しのマフラーが合計9キロもある等しばらく考えているうちに排ガス規制強化で販売終了となってしまいました。

8万5千キロ乗ってみた事を踏まえて、各部の耐久性や感想を書きなおしたり加筆しています。どのページもリンク自由です。




★ 淡路島にまた原付が渡れるようになった!  

★ 2013年8月 四国・中国ツーリング  



■ バルブクリアランス調整  

■ ブレーキフルード交換  

■ ドライブチェーン交換  

■ メンテナンスデータ一覧

■ 自分でやるタイヤ交換

■ GN125H 主要部品一覧と流用情報

■ 純正部品の入手・輸入方法について

■ タイヤと前後スプロケット

■ エンジンオイルとフォークオイル

 

GN125H と派生車種について





80年代前半に日本のスズキが設計・生産し、現在は中国の大長江集団が製造している125ccバイク。中国生産になった後、このバイクには数々の派生車種が誕生し、購入に際しそれらと迷っている方もいると思われますのでスペックや特徴をまとめました。

GN125-2Fには排気ガス対策デバイス(二次空気供給装置・エアインジェクションAI)が装着されており、馬力もHと乗り比べればわかる程度低くなっているようです。燃費についてはHと変わらない程度の方もいれば、良くて40キロという方もいるようで、排ガス対策で少し悪化している可能性もありますね。
装備は2FやEN125-2Aのほうが良いのですが、国内では純正サイズのチューブレスタイヤが入手不可能というのもあり私はオーソドックスなHを購入しました。

この手のバイクの扱いのあるショップでよく見かけるのは下表の3種ですが、中国国内向けやEU向けの車両を独自に輸入している店も存在し、エンジンや装備・仕様が細かく異なっていたりしますので購入検討の際は実車をご覧になることをおすすめします。


GN125H GN125-2F EN125-2A
全長 1945mm 1970mm 1945mm
全高 1110mm 1110mm 1050mm
全幅 815mm 770mm 735mm
重量 110kg 110kg 112kg
シート高 740mm 735mm 735mm
形式 PCJG9 PCJ2N PCJK6
最大出力 12.5ps/9000rpm 10.6ps/9000rpm 12.5ps/9000rpm
最大トルク 1.0kgf・m/8000rpm 0.93kgf・m/7000rpm 1.0kgf・m/8600rpm
タンク容量 10L(8L+リザーブ2L) 10L 14L
オイル容量 0.95L 1.1L (フィルター交換時 1.15L) 1.1L (フィルター交換時 1.15L)
フォークオイル容量 174cc 174cc 150cc
ブレーキ F:ディスク R:ドラム F:ディスク R:ドラム F:ディスク R:ドラム
タイヤ F:2.75-18 WT
R:3.50-16 WT
F:2.75-18 TL
R:3.50-16 TL
F:2.75-18 TL
R:90/90-18 TL
燃料供給 キャブレター キャブレター キャブレター
排気ガス規制 規制デバイスなし 二次空気供給装置(AI) 規制デバイスなし
カラー ブラック、レッド、シルバー、ブルー ブラック、レッド、パープル ブルー、ブラック
特徴 排気ガス対策デバイスなし、2014年よりシルバーとブルーが追加された、Fブレーキディスクが生産途中から穿孔のあるものに変更された キックスターター付き仕様あり、積載力強化型リアキャリア装備、燃料計付、二次空気供給装置あり、エンジンガード標準装備、ウインカー表示灯が左右独立、ウインカースイッチがプッシュキャンセルに、手元でチョークが操作可能、チューブレスタイヤ、フロント2ポッドキャリパー チューブレスタイヤ、フロント2ポッドキャリパー、燃料計付き、ウインカースイッチがプッシュキャンセルに、パッシングスイッチあり、価格がGN125Hと比べると1.5-2.5万円程度高いことが多い、最近輸入されている車両はリアキャリアが付属しないようになったようです
*表は基本的に輸入元が公開しているスペックを参考にしましたが、あきらかに間違っていると思われる表記は訂正しました(フォークオイルが385ccとか重量140kgとか)
GN125HはエンジンにOIL容量850ccとの記載があるが、実際に850cc入れてみるとオイル窓の最低ラインのあたりまでしか入らない。輸入元のデータ通り950ccがちょうどいいと思われる
*EN125-3Fという派生車種もあるようですが更に馬力が低くなっているが、低回転で最大トルクが発生するようです。デジタルメーターになっているものも存在。まだ台数が少なくweb上の情報も少ない。



耐久性や信頼度

2015年9月に走行距離が7万キロを超えましたが、まったく故障することなくここまで来れました。これまで交換したのはオイル類と電球などの消耗品のみです。

ワイヤー類も数回エンジンオイルやシリコンオイルを注油しただけで、いまだ一本も切れていません。クラッチワイヤーなどは1万キロ以下で切れることを覚悟していたのですが、7万キロ走った現在も引っかかりや重くなることもなく使えていますし、クラッチ自体にもトラブルはありません。当初はクラッチ板やワイヤー類のほかメーターギアやベアリング類も弱いのではないかと考えていたのですが、ハブベアリング、ステムベアリングの鳴きやガタもありません。このバイクは車重が110キロしかないので駆動系や軸受けへの負担が少なく長持ちしているのかもしれませんね。

エンジンについても1000キロごとのオイル交換がよかったのか非常に調子がよく、納車当初と比べて現在のほうが振動も少なくよく回ります。もともと設計通りのパワーが出ていたとしても12.5馬力なので全開で加速することも多いのですが、パワーの衰えなども体感できるほど低下しておらず、異様に高いエンジンの耐摩耗性に驚いています。

キャブのダイアフラム同様ピストンリングも良質なものを使用していると思われます。タオバオでGNのピストンリングを検索するとRIKENの包装紙に包まれているものが出品されていますので、ピストンリング・オイルリングは日本製なのかもしれませんね。

ここまで無故障で乗れた時点で価格相応のもとはとっくに取れています。いつ壊れても文句なしなのですが、このまま楽に10万キロ位はいけそうな気がします。これまでの磨耗度や故障のなさからいくと、恐らく走行距離10万キロ突破してもまだまだ走れるのではないかと。
 

車体各部の詳細

12.5馬力、空冷124ccエンジン。かなり流れの速いバイパスなどでも問題なく走れます(体重65kg+修理工具とスペアチューブ5kg常時積載)。オイルは夏場20W-50か15W-50、気温が15度を切るようになったら10W-40を使用。真夏はどうしても過熱でオイル劣化が早まるので1000キロ走行時点で交換してしまいます。最もエンジンの調子がよいのは春秋の気温20度前後の時期です。冷却の度合いがちょうど良いのでしょうね。冬場やこの時期はオイルの熱による劣化が少なく2000キロ程度使えます。なお、このバイクには低粘度オイルは向いていないように思います。
プラグはCR8Eです。国産時代のDR8Eからネジ径が変更されていますので、プラグ購入の際にはご注意ください。新車付属のプラグもきちんとギャップ調整(0.7mm)すれば長期間使用できます。私は1万キロ使用しました。標準はCR8Eですが、高回転を多用するような乗り方をするときはCR9Eに交換しています。構造的にプラグの交換が容易なので、8E、9E走行状況に応じて取り替えることをお勧めします。私は安価に入手できるスタンダードなプラグばかり使用しています。
キャブはMIKUNIの負圧式です。中国製ゆえダイアフラムの品質が気になり、走行1万キロあたりに交換部品を用意しましたが、穴あき等発生することもなく4年半経過した現在でも問題なく使用できています。ここに限らず走行に大きく関与しているパーツ類には良質なものを使用している印象です。これまで分解清掃などしませんでしたが不調になったことは1度もありません。やはりキャブはコンスタントに乗り、中のガソリンを枯らさないのが良いメンテナンスになるようです。スロットルワイヤーもまだ大丈夫です(2万キロ、6万キロの時点でグリップ側から数滴シリコンオイルを注油しました)。
キャブレターのチョークノブとアイドリング調整つまみです。私のGNは気温10度以上の日はチョークなしで始動可能です。アイドリング回転数は自動では調整してくれませんので、始動時はツマミをねじ込み回転を上げ、暖気が済んだら緩めてあげなくてはなりません。指定アイドリング回転数は1300-1400回転です。完全に暖気されており、オイルも新しく、油膜がしっかりしていれば、1200回転でもOKです。最低で1000回転くらいまでは落とせますが、アクセルの開閉にリニアについて来なくなり、発進時や急減速時にエンストが多発します。慣れると乗車した状態でアイドリング調整ができるようになります。
どこを指しているのか分からない燃料コックレバー。この燃料コックは納車された時から結構硬かったです。ネット上でもコックの回転が渋い等の書き込みを見かけますので、多少渋いのがデフォルトなのかもしれません。なお、これまで燃料漏れなどのトラブルはありません。この画像を撮影中にレバーの先に小さな矢印を発見しました。

これは矢印は下を向いており、ONのポジションです。燃料フィルターが標準装備なのがいいと思います。国産時代はありませんでした。
シングルディスク・片押しのフロントブレーキ。リア同様パッドが磨耗せず、現在走行距離71000Kmですが30-40パーセントほど残っています。10万キロまで無交換でいけそう・・・。ディスクに穴のないバージョンは鳴きがひどいらしいのですが、このバージョンになってからは鳴かなくなったようです。現在流通している車両は長期在庫車でもない限りこのディスクになっていると思われます。効きはそこそこでコントロール性も良いです。このブレーキはオーバーホールキットがパーツとして供給されていません。液漏れしたらASSY交換となるようです。TAOBAOでは1000円前後で入手可能だったと記憶しています。
リアのドラムブレーキ。わりとコントロール性もよく、いきなり「ドカン!」と効くこともありません。23000キロ走行でライニングの残りは4㎜。新品のライニングは4.2㎜だから、5パーセント程度磨耗したという事か。気味が悪い程もちが良い。

7万キロを突破した現在でもウエアインジケーターは半分以上の残量を指しており、おそらく無交換で10万キロ行けそうな感じ。
チェーンはKMCと刻印のある台湾製の428です。この会社は日本のシマノにもOEM供給している模様。伸びたのは最初の2000キロくらいで、それ以降伸びはありません。馬力も低く大きなトルクがかかる事も無いからか、油を切らさなければチェーンの磨耗は極めて少ないようです。私は乗った状態でたるみが3cmになるように調整しています。1万キロ程度でチェーン交換している方がいたりしますが、恐らく張りすぎではないでしょうか。チェーンの張りすぎはベアリングにも負担がかかりますし、百害あって一利なしです。約2万キロごとに定期交換しているものの、使おうと思えば4万キロは問題なく使えそうな感じです。
マフラーは最近のバイクに比べると明らかに音が大きいです。設計が古いから騒音規制はスルーなんだろうか。GN125-2Fは構造が違うようでかなり静かになっているようです。

昔、免許センターの試験で、「マフラーに穴が開いた場合は半分に切って使用する(正・誤)」という設問があり、絶句したのを思い出しました。似たような設問で、「マフラーの芯は抜いても良い」というのもあり、設問が2ストの軽自動車が存在した頃からの使い回しであることが窺えます。
不要な方には評判の悪い、ピリオンハンドルと一体のリアキャリア。溶接されているので、それぞれに分離することはできません。GIVIのBOXのベースを固定していますが、とてもしっかり取り付けでき、BOXを外した時も荷台の面積が大きくなり便利です。

GN125Eの純正部品でキャリアなしのグラブバーの設定あり。[パーツナンバー: 46210-05300 ]
小型バイクにしてはそこそこの音量があり、スクーターと違い実用できるホーンです。音量は軽自動車程度。ここから電源を取っている人がいますが、繋いだ負荷がヒューズを切ったり、負荷の変動によりホーンが鳴りっぱなしになったりするので絶対に止めたほうがいいです。緊急回避時にホーンが鳴らなかったらどうするんでしょうか。免許取得時の試験で、「歩行者が邪魔な時は警音器を鳴らして注意を促す(正・誤)」と言う設問を思い出しました。公道上で稀にクラクションを鳴らしまくるキチガイの類がいたりしますが、ああいう手合いは正しいを選択するんでしょうね。
キャリア同様、でかすぎると不評のテールランプとウインカー。ヨーロッパ向けのGN125Eの画像を見ると、このテールランプが付いていたりしますので、中国生産になってから大きくなったわけでもないようです。私は長距離走行時は深夜に距離を稼ぎますので、後続車からの視認性を低下させるようなことはしたくありません。これは廃車まで交換しないと思います。スペースに余裕があるんだから、バルブは2本入れて欲しかった。ウインカーも21wと四輪並みの大光量なのが良いです。125ccのプレートがピンク色なのが嫌だという方も多いようですが、むしろピンク色なのがいいんじゃないですか (;´Д`)'`ァ'`ァ。
大変便利なギアポジションインジケーターです。N以外の1-5のギアポジションが表示されます。これは走行中よりも、信号青での発進時にNから1にちゃんと入っているか確認できるので助かります。中途半端にNと1速の中間あたりに入ったまま発進して恥ずかしい思いをせずにすみます。スズキの125には、このインジケーターがあるので、今乗っているGNが潰れてもまたGNを買うかEN125を買うと思います。
トリップメーター付きのスピードメーターと12000回転までのタコメーター、真ん中にギアポジションインジケーター。私のGNはSAKURAタイヤを履いた状態では10パーセントほどのプラス誤差があります。70キロ表示で実速度63キロといったところでしょうか。最近の安価なバイクはタコメーターもトリップメーターも省かれていたりしますが、GNはタコメーター、トリップメーターに加えてギアポジション表示まで付いているという気前の良さです。最高速度が120までというのも良いです。出ないのに無駄に150くらいまであるとスケールが圧縮されてかえって見づらいです。
右スイッチボックス。基本設計が常時点灯自主規制前だったり、一応輸入車なので、ヘッドライトスイッチが付いています。私はライトは常時点灯するのですが、エンジン始動時はオフしたいので助かります。上からキルスイッチ、ライトスイッチ、セルスターターです。ミラーステー、フロントブレーキフルードリザーブタンク、マスターシリンダー、レバーホルダーは一体です。新車時ブレーキフルードはピンク色のが入っています。気味悪がって交換している人もいるようですが、ピンクなのがいいんじゃないですか。 (;´Д`)ハァハァ
左スイッチボックス。なんか右スイッチボックスと質感が違うな・・・と思って開けてみたら、驚いたことにアルミダイキャスト製でした。鋳造精度も良いです。この時代にこんな高コストなことができるのも人件費の安い中国だからだよな。GZ用かGN250の左スイッチを入手してプッシュキャンセル化しようと思っていましたが、なんだかこのスイッチが気に入ってしまったので、このまま行くことにしました。中央のレバーは4方向に動き、左右のウインカーに加えて上下でヘッドライトの上向き、下向きを切り替えます。
バッテリーはスタンダードな開放型の12N7-4A(8Ah/10時間率容量)。中国製ですが問題ありません。意外に電解液が減るので、蒸留水をたまに補充してやる必要があるのですが、ごらんの通りケースが不透明で液面が良く見えません。バイクから降ろして太陽光にかざしてようやくチェックできます。固定バンドに予備ヒューズが収まっています。最近は密閉式バッテリーも安いのですが、充放電特性がシビアで電圧の不安定なバイクには不向きだと思います。(GM7Z-4A、FB7-A、12N7-4A、YB7-A)は同サイズ同容量のようです。
ハンドルまわり。ブラックのバーハンドルに交換しようと思っていましたが、このハンドルの絞りや角度・高さに慣れてしまったので止めました。高く感じる方は若干手前に倒すと良いです。
手前に少し映っているタンクは容量10Lで燃料計はありませんので、リザーブとトリップメーターだけが頼りです。大体330キロから350キロ程度でリザーブになるのでそれを目安に給油しています。(派生車種のGN125-2Fは燃料計あり)ロングツーリング時はEN125の14リットルタンクが羨ましいですね。
標準のバルブではやや暗い小ぶりのヘッドライト。一度ユニットごとH4バルブの使えるものに交換しようと思ったのですが、安いものは反射鏡もふくめてオールプラスチックだったので止めました。高価と思われますが、CIBIEのセミシールドビームに交換している方がいて渋い選択だと思いました。宇賀神商会からハロゲンBA20d 35W/35Wを購入して交換したところ、満足できる明るさとなり配光も改善。輸入時期によってはレンズがガラスのものも存在するようです。私の2011年型はレンズはポリカーボネート製でライトボディーは金属製でした。
GN125Hのバルブはヨーロッパ車に多い「BA20d Hi35W/Lo35W」という規格で、新車装着品はタングステン球。ハロゲンと比較するとやや暗く、レンズカットがあまり良くないのか配光にムラがあり照射範囲の真ん中だけスポット的に明るい。走行12000㎞あたりに 宇賀神商会 からハロゲンのBA20dを購入し交換。常時点灯しているのに75000キロを超えた現在も使用できています。明るさは1.5倍程度にアップ。以前はドイツ製のバルブが販売されていましたが現在は販売終了したようです。

HIDも試してみたいのですが、安価な中国製のキットは度を超えて品質が悪いのでハロゲンバルブを使用しています。



部品の入手性について

車体そのものの製造品質については問題なくても、消耗品や交換部品が確実に入手可能なのか気になるかと思います。パーツの入手については 純正部品の入手・輸入方法について で詳しく説明しますが、大きく分けてパーツ類には、
  1. GN125Eのパーツが無加工で流用できるもの(オイルフィルターやクラッチケーブルなど)
  2. GN125Eのパーツとは形状が変更されていて大長江集団(ハオジュン)製造のパーツが必要な物(フロントブレーキパットやキャブ周辺・電装関連のパーツなど)
の2つがあります。

GN125Hの原型となった国産のGN125Eの部品が使用可能であるとはよく言われますが、小変更や改良された部位もありますから、全てのパーツが流用できるわけではなく、部品流用可否の判断も自己責任の下で行う必要があります。 この点の判断をバイク屋に強要するのはやめましょう (バイク屋にとってはリスクしかない)。約2割程度のパーツは流用がきかず、中国からの個人輸入や販売店経由で輸入業者からの購入が必須になるパーツです。どうしてもパーツを流用で済ませたい時は、場合によっては使えるかどうか判らない部品を試しに買ってみなくてはならない場合も出て来るかもしれません。その点は少々の覚悟が必要かと思います。これらの情報については GN125H 主要部品一覧と流用情報 のページに判り次第蓄積していきます。

スペアキーについて
スペアキーを作成しに何件か鍵屋さんを回りましたが、恐らく国内には完全に同じブランクキーは存在しません。若干短い(数ミリ)ものの、同形状のブランクキーが クローバーFM231 と他の互換品です。GNのシリンダーはすべてこのキーで回せます。非常に古い形式らしく、どの鍵屋さんでもブランクキーを在庫しているとは限りません。また、タオバオなどの中国のオークションでGNに使用できるブランクキーが販売されていたりしますが、質は上記の日本製のブランクが明らかに良いです。(触っただけで判る。さらに言うと本鍵よりも良い)

 

なぜGN125H を選んだか



このバイクの少々特殊なところは、「30年前のバイクが新車で入手可能である」という点です。フロントブレーキやキャブなど若干の変更箇所はあるものの、中国製GN125Hは基本的に最初期のGN125にキャストホイールを装着したものとなっています。1982年といえば今年34歳になった私が幼稚園児だった頃のバイクであり、その時代の単車が今現在でも新車で購入できるという点に強く惹かれました。

同程度の価格で購入できるEN125やYBR125も当然比較対象にあったものの、タイヤの入手性に不安があったり、ロングツーリングにはGNのほうが荷物の積載性が良さそうだったことに加えて、前段で述べたようなある種の懐かしさも手伝い、購入店ではYBR125とEN125も在庫していましたが、割と迷わずにGNを選択しました。ただ、店でまたがってみた時に少々シートが低すぎるような気もしたのですが、地獄の30時間耐久ツーリングなどで体力的に極限の状態にあっても、非常に足つきが良いため立ちゴケの心配がなく結果的には良かったと思っています。


お店選び

基本的にバイク屋は他店購入車を修理したがりません。バイクは購入と同時に(整備を店任せにする人は)以後も店との付き合いが続くことになるので、後の修理や整備の際にも不安なく頼める店かどうか考えてから購入してください。(この点については後日別ページを書こうと思っています)

自分が購入したのは整備から販売や登録まで全て一人でこなす、大阪府高槻市の小規模な個人店。
「スズキバイクショップ」の看板を掲げており、スズキの新車中心だがホンダのスクーターなんかも少数置いてました。一人で大変と思われるが、その旨たずねてみると「忙しい時は嫁さんがナンバー取得に行ってくれます」とのこと。大阪市北部周辺のバイク屋を何店舗か回ってから購入店を決めようと思ったものの、車両も安く意味不明な諸費用は請求してこないこの店に決定、見に行ったその日に契約し、代金を置いて帰ってきました

 

乗り出し価格は14万円

車両本体125,000円、納車整備費+ナンバー取得代行15,000円、支払い総額は140,000円+自賠責でした。納車は約25km離れた自宅までトラックで運んできてくれました。自賠責は3年分加入し、任意保険は全労災、思いのほか安価に買えたためロードサービスと盗難保険も加入しました(このロードサービスが後に奈良の山奥で役立つこととなる)。もっと車両価格が安いところも存在しますが、そんな店は案の定、諸費用が35,000円だの38,000とかだったりするので要注意です。

私が考えるにバイク購入の際の諸費用やその名目というものは、販売店の商売のやり方が如実に露呈する性格を持っており、私が購入時に調べた限りでは最高で5万円を超える費用を請求する店舗も存在しています。

私が購入した高槻市のバイク店は納車整備費とナンバー取得で15000円で、それ以外の費用の請求は一切ありませんでした。(自宅まで届けてもらいましたが費用は無料)
商売ですから購入者との合意に基づいた契約であればどんな名目で費用を請求していても構わないとは思いますが、中には購入者の無知に付け入って訳のわからない費用や書類発行手数料を請求したり、「このバイクは中国製だから危険」(←嘘です)と不安を煽り、割り増しの整備費を請求している店舗も存在し、この辺の事情は調べる程に業界の不健全さに嫌気がさします。


 

これまでのメンテナンス

10000km プラグ交換 不調ではなかったが、節目ということで新車装着品から交換
12000km リアタイヤ交換 IRC NR21へ新車装着品のSAKURAブランドのタイヤから交換。この時点でも2分山程溝があった。SAKURAは乗り心地が硬かった
15000km フォークオイル交換 フロントのダンピングが回復。できれば最長でも1万キロ使用で交換したい。この部分は劣化が緩やかなので、ヘタって来ても判断しづらい。
20000km プラグ交換 今回は熱価を変更してCR9Eにしてみた。高回転域の伸びが良く、エンジン特性がだいぶ変わる。一方で始動直後はアイドリングがやや落ち着かなくなった。
24000km フロントタイヤ交換 サクラタイヤがグニャグニャする上に全然減らないので交換。操縦安定性が向上。フロントタイヤばかりは納車後すぐに交換しても良かったかも。
リアタイヤ交換 2分山ほど残して前回と同じIRC NR21へ交換。今回は12000キロ使用した。
ハブダンパー交換 加減速のたびにガタガタしていたので交換。このパーツはリアタイヤの交換と同時に行うのが良い。劣化で走行不能になる訳ではないが、快適ではなくなる。ゴム製なのでどうしても変形や萎縮でガタが生じる。
31000km フォークオイル交換 今回も15000キロ程度無交換だったため、交換後は非常に快適になった。
ブレーキフルード交換 ブレーキフルードは見た目からは劣化具合の判断ができないため、1年3万キロ経過したし、交換。
ドライブチェーン交換 3万キロ使用して伸びたのは1センチ程度。気持ち程度アクセル開閉時のガタが減ったような気がする。油分を切らさなければそれほど伸びない模様。交換の必要性は低かったが、428のノンシールは安い(製造者が気の毒になるくらい)ので交換。
燃料ホース交換 ここが未交換の人は出来るだけ早く交換したほうが良いです。触ってみると柔軟性もあって大丈夫そうに思うのですが、取り外すと数日のうちに硬化していき、1週間くらいでカチカチになりました。柔らかいのではなく、ガソリンを吸って膨潤し、グニャグニャしていただけだったのです。



このバイクは無理して飛ばすようなバイクではありませんし、フレームやサスペンションももせいぜい80キロ位までの走行が恐怖を感じない限界です。維持費やガソリン代もかかりませんし(大阪から青森まで3000円ですよ)、ここまで読んでいただいた方は購入しても後悔しないと思います。1台いかがですか?








inserted by FC2 system